東洋美術学校・視覚伝達デザイン科3年       第11回宇留野ゼミ展



2009-3-2 (Mon) → 2009-3-7 (Sat)

exhibit Live&Moris galleryでのゼミ展も今年で5年となります。ゼミと空間に於ける経験を最大限活かした緊張感ある展示を目指すべく、学生1人1人がその制作に伴う責務を全うしました。
 現在、宇留野ゼミでは、都立野山北・六道山公園と繋がりを持ち、環境・地域社会とアートについて考える場を得、その形を秋の祭りの中でアートコラボレーションとして提案・発表する場を頂いております。ゼミ生はこの環境にて、自然と生活文化の基本に直接触れながら、地震の表現と向き合っても参りました。
 ゼミ展は授業の一環であり、そして学生の表現の可能性を広めるためのものであります。展覧会はゼミの総仕上げとしての場として位置付けし、「表す事への意義と社会性」を考えさせる実践の場であります。己を追求し徹底して作品の質・完成度を高めて行くには見せる場を意識させることも重要であると考えます。公の場に授業として進出することはリスクも多々あります。しかしそれ以上に教室では体験出来ない貴重な経験と作品を通してのコミュニケーションがそこにはあります。作品と共に身を置き、外の意見と向き合うことは大事な事です。又一つの展覧会を開催するまでのプロセスを学ぶ事も経験としてプラスとなります。11年間、ゼミ展を通じて内外との格闘から生まれる表現の緊張、そしてゼミを通しての表現に於ける真剣勝負を是非御高覧頂ければ幸いです。

【参加作家】
秋山泰將 浅井香澄 飯高愛 石田摩弥 邑楽好美 岡千聡
蛭田早智 高野萌恵 滝澤徹 玉木理恵 北久保智美

表層の冒険者たち - 2009 企画/NPO法人アート農園



2009-2-9 (Mon) → 2009-2-21 (Sat) ※日曜/祝日休廊

【参加作家】
山部泰司/岸本吉弘/大嶋彰/石井博康/芝章文/沼田直英/工藤礼二郎/山田宴三/内倉ひとみ/詫摩昭人/山田ちさと/新山光隆/団野雅子/倉橋利明/阿部亮平/大浦和代/大塚麻美/佐藤恵/丸山数理/新藤杏子(順不同)

2008年10月に続き、新たに若いメンバーを加え、絵画に焦点を充てた展覧会を開催致します。制作を続けるという日常と非日常のなかで、淡々と描き続けられてきた個々の営為を、絵画活動の一端を紹介するものです。

ニーチェは、目に見えない奧に、内に、裏に、あるいは彼方に何か真実が、すばらしい理想が存在するという考え方を「背後世界論」と呼んだ。西洋の哲学思想を長きにわたって支配してきたこうした「背後世界論」と手を切ろうとしたのがニーチェであり、その彼が、「表面に、皺に、皮膚に敢然として踏みとどまること」というすばらしい言葉を残している。
私が「芸術」とりわけ「絵画」について「表層の冒険」というとき、つねに念頭にあるのはニーチェのこの驚くべき認識である。「深み」へ、「内部」へ、「内面」へ安易に逃げてはならない。「表面に、皺に、皮膚に敢然として踏みとどまること」、それが「表層の冒険」である。
(中略)
「表層の冒険」———言うに易く行うは難し。「表層」そのものをかけがえのない「自我」として引き受けること。それが「画家」というものであろう。ー 谷川渥(表層の冒険者たちー2008展カタログより)